⑦女性の活躍推進について

今年秋に、いわゆる女性活躍推進法案が制定されました。今後の女性活躍を進めるにあたり、計画策定が努力義務である中小企業が多い滋賀県としてどう進めるのか、そもそも滋賀県の労働環境はどうか、男女の意識調査はどうか、女性の県政への参画などについて、質問しました。

女性経営者フォーラム始め、起業塾なども各地で活発に開催されるようになり、元気な女性に私自身、エネルギーもらっています!

Q;滋賀県庁で策定を進めている女性の活躍推進に向けた特定事業主行動計画では、どのようなことを主眼に策定しようとしているのか

A;この計画は、平成27 年11 月20 日に告示されました国の「事業主行動計画策定指針」に基づきまして、各任命権者が策定することとなっておりまして、女性職員の採用から登用に至るあらゆる段階についてその状況を把握、分析し、課題に応じ、計画期間、数値目標、取組内容および実施時期を定めることとされております。

本県におきましては、法律に先駆けまして、ご紹介いただきました「CARAT滋賀・女性・元気プロジェクト」における県庁の率先行動として、今年3月に、「女性職員の活躍推進のための取組方針」を策定したところでございます。この方針では、目指す姿を「女性職員も男性職員も ともに いきいきと活躍できる県庁」としておりまして、このため、意思決定に関わる管理職への女性職員の登用を推進するとともに中長期的な視点に立った育成を行うこと、誰もが能力を発揮し活躍できる環境づくりに向けた取組を進めること、といたしております。
今回の特定事業主行動計画を策定するに当たりましては、この方針を踏まえまして、法律や国の策定指針に沿って、本県の女性職員がよりいきいきと県政のあらゆる分野で活躍できるような行動計画としてまいりたいと存じます。

Q;中小企業での女性活躍を進めるにあたっての課題をどのように捉えているのか。また、今後、どのように進めていかれるのか

A;県では、中小企業における女性の活躍推進の課題といたしまして、一つ目に経営者や職場のマネジメントを担う管理職の理解と意識改革。二つ目に、働く女性自身の資質向上と意欲高揚。三つ目に、女性が働き続けられる環境整備の3点に注目をしております。
これらの3つの課題に対応するため、経営者・管理職を対象としたセミナーや企業で働く女性のキャリアアップを支援するセミナー、女性の継続就労を促進するため、結婚前や育児休業からの復帰前といった女性のターニングポイントに焦点を絞り、キャリアビジョンを描くためのセミナーを開催しております。

また、女性活躍推進法に関する理解を深めていただくため、来る12月14日に滋賀労働局との共催で女性活躍推進法に関するセミナーも開催させていただくところでございます。
労働局、経済団体、労働団体などとの連携を深めながら、今後も引き続き、経営者・管理職の理解と意識改革、働く女性自身の資質向上・意欲高揚、継続就労に向けた取組を進めてまいります。

また、中小企業における女性活躍推進の一層の気運醸成を図るため、本年6月に創設いたしました女性活躍推進企業認証制度やイクボス宣言企業登録のさらなる周知、経済団体等と連携した働きかけ、認証企業・イクボス宣言企業における取組の好事例の発信を積極的に行ってまいりたいと存じます。

Q;労働時間などの労働基準法違反の状況と、それを踏まえ、県内企業の労働環境改善のために、どのように取り組まれていくのか伺う

A;まず、労働時間などの労働基準法違反の状況につきましては、本年6月、滋賀労働局が1,830事業場に対して実施した「平成26年の労働基準関係法令に関する監督指導の実施結果」を公表しているところです。この実施結果では、時間外労働・休日労働に関する協定いわゆる「36サブロク協定」を締結し労働基準監督署に届け出ることなく、法定労働時間を超えて労働させている事案や、36サブロク協定の限度時間を超えて時間外労働を行わせている事案などの「労働時間・休日」に関する違反件数が、424件、違反率23.2%となっております。
これまで県においては、ワーク・ライフ・バランスを推進するため、平成20年6月に、行政・労使などで構成する「仕事と生活の調和推進会議しが」を立ち上げ、仕事と生活の調
和の実現に向けた共同アピールや、11月を仕事と生活の調和推進月間と定めるなど重点的に啓発を進めてきたところでございます。また、本年3月に、県、滋賀労働局、連合滋賀、滋賀経済産業協会で構成する「雇用推進行労使会議チャレンジしが」におきまして共同宣言を行い「女性の活躍促進」と「働き方改革の推進」を最重点課題として、緊密に連携しながら取り組むこととしたところでございます。
今後におきましても各企業における、長時間労働の見直しなどの「働き方改革」を推進するため、企業訪問や労務管理セミナーなどの啓発活動を通じて、ワーク・ライフ・バラン
ス取組企業1,000社を目指し、企業の労働環境改善が図られるよう一層の支援に努めてまいりたいと存じます。

Q;県民意識の現状、および今後どのような施策を進めていくのか伺う

A;平成26 年度「男女共同参画社会づくりに向けた県民意識調査」では、固定的な性別役割分担意識について調査しておりまして、「男性は仕事をし、女性は家庭を守るべき」
という考え方について、「同感する」割合は41.2%、「同感しない」割合は53.2%となっております。「同感しない」割合は、平成18 年度調査では46.8%、平成21 年度調査では46.2%と50%に達しない状況でありましたが、平成26 年度調査では50%を超え、徐々に意識に変化がみえます。
しかしながら、「同感する」割合は依然4 割を超えている状況でございまして、固定的な性別役割分担意識の解消は十分には進んでいない状況と考えております。
また、この意識を男女別にみると、男性は「同感する」割合が高く、女性は「同感しない」割合が高くなっており、男女で意識の違いがある状況となっております。固定的な性別役割分担意識の解消は、生き方や働き方についての男女の希望の実現につながるとともに、働きたい女性が働くことができることで、生活基盤の安定や様々な経済リスクへの対応にもつながるものであり、男女がともに責任を分かち合いながら、ともに支え合える男女共同参画社会の実現に向けて、最重要課題と認識しております。
先月、男女共同参画審議会から答申をいただいた次期滋賀県男女共同参画計画におきましても、固定的な性別役割分担意識の解消を重点推進目標に掲げ、取り組むことが求
められているところでございます。今後は、早期からの男女共同参画教育など、年代や対象に応じた効果的な啓発に努めるとともに、特に男性の意識を変えることが鍵と考え、私を含め、男性の意識改革に向けた啓発・広報にしっかりと取り組んでいきたいと考えております。

Q;女性人材リスト活用の状況と、地域で活躍する女性の発掘や県政への参画推進について伺う

A;女性人材リストは、各分野で活躍している女性の情報を幅広く収集し、提供することにより、各種審議会等への女性の登用等の促進を図ることを目的に、平成6年から「女性有識人材情報事業」として実施しているもので、学識経験者や専門的な知識、技能を有する方などが登録されているところでございます。平成6年当時から比べると、インターネット環境が整備されるなど、女性人材情報を取り巻く環境は大きく変化していることから、平成26 年度の活用は2件となっております。
委員ご指摘のとおり、地域で活躍する女性の発掘や県政への参画推進については、女性の活躍推進の観点から大変重要と考えており、女性活躍情報誌「CARAT滋賀」の発行などを通じて、地域で様々なチャレンジに取り組む女性を発掘・発信するほか、全庁的に審議会等の委員公募を推進するなど、取組を進めてきたところでございます。
また、県立男女共同参画センターにおきましては、男女共同参画の拠点施設として、女性のチャレンジシンポジウムなどネットワークづくりにも取り組んでいることから、今後はこうしたネットワーク等を活用し、県政に関する情報も提供しながら、人材の発掘に努め、地域で活躍する女性の県政への参画をさらに広げてまいりたいと存じます。

原文です↓

男女共同参画社会基本法制定後16年を経過しているものの、方針決定への女性の参画が十分に進んでいる状況にあるとは言えない中、今年の9月4日、女性が、職業生活において、その希望に応じて十分に能力を発揮し、活躍できる環境を整備するため、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)」が公布されました。 これにより、来年の平成28年4月1日までに、国や地方公共団体、労働者301人以上の民間事業主は、女性の活躍推進に向けた事業主行動計画の策定などが新たに義務づけられることとなり、滋賀県庁でも特定事業主行動計画の策定を進められているところです。そこで、まず、①滋賀県庁の特定事業主行動計画ではどのようなことを主眼に策定されようとしているのか、お伺いします。

しかし、一方で、滋賀県内の状況をみてみますと、県内事業所のほとんどを占める労働者300人以下の事業主は、事業主行動計画の策定は努力義務となります。中小規模の企業の従業者数で見ますと、「製造業」「卸売業・小売業」の順で、全体の5割近くを占めており、特にこれらの分野で女性の活躍が望まれるところです。これまで「CARAT滋賀・女性・元気プロジェクト」を進めてこられましたが、②中小企業での女性活躍を進めるにあたっての課題をどのように捉えているのか。また、今後どのように進めていかれるのか、お伺いします。

 先般、来年度からの滋賀県男女共同参画計画の策定に向けて協議されてきた男女共同参画審議会の答申では、女性の就業率や管理職に占める割合など4つの重点推進目標値が示されました。滋賀県は、既にご承知のように25歳から44歳の年齢階級における女性の労働力率が低く、全国と比較してM字カーブが深い構造となっており、正社員として働いても一度退職し、その後非正規社員等で働くと、キャリア形成も難しくなっています。また、一般には、女性活躍推進の前提として、長時間労働も課題の一つと言われています。特に、長時間労働は、女性活躍推進以前に、過労死など心身への影響もあることから、ワーク・ライフ・バランスの充実を図るなど、男女ともに働きやすい職場環境の整備が求められます。③  そこで、県下における労働時間などの労働基準法違反の状況と、それを踏まえ、県内企業の労働環境改善の為に、どのように取り組まれていくのか、お伺いします。

平成26年度の配偶者暴力相談支援センターでのDV相談件数は802件で、このうち、786件、98%が女性からの相談となっています。特に、児童虐待の防止などに関する法律第2条第4項では、子どもと同居する家庭における配偶者に対する暴力が児童虐待と定義されるなど、DVが子どもに与える影響も心配されています。私も個人的に県民の方からDV等に関する相談を受けることがありますが、このような状況の背景には、「男性は仕事をし、女性は家庭を守るべき」といった、高度経済成長期を通じて形成されてきた固定的な性別役割分担意識、性差に対する偏見や慣行といった一人の人間としての人権尊重の意識が低い点などが影響しているのではないかと推察いたします。そこで、昨年男女共同参画社会づくりに向けた県民意識調査をされましたが、④県民意識の現状についてどう分析され、また今後、どのような施策を進めていくのかお伺いします。

県政における女性の活躍推進の中で、審議会等における女性比率向上もこれまで議会で度々議論されてきましたが、メンバーのほとんどである団体代表が男性である場合が多く、その点が課題だとされてきました。より多くの女性に、審議会に参加していただくためにも、各団体に委ねるだけでなく、県として工夫していくことが大事なのではないでしょうか。まだまだ審議会に参加頂く女性の方が一部になっている現在、女性人材リストなどを活用し、地域で活躍されている女性が審議会など、県政に参加していただくことが大切ではないかと考えます。そこで、⑤これまでの女性人材リスト活用の状況と今後地域で活躍する女性の発掘や県政への参画推進に向けて、どのように取り組んでいかれるのかお伺いし、次の質問に移ります。