⑧これからの滋賀県農業の展望について

2015-12-14

先般、TPP大筋合意による対策大綱が発表されました。滋賀県は、主要6品目について、このまま何もしないと40億円の影響とされております。私としては、先駆けて、県内農蓄水産業の現状調査として、県内農家、外来魚駆除、水草除去、畜産農家をまわり、また海外展開含めた支援について活動してきました。現在の認識は、経営能力の向上、販路開拓に向けた戦略的展開などが今後の課題と思っています。

Q;「しがの農業・水産業新戦略プラン」の総括と滋賀県農業・水産業基本計画が目指すものについて伺う

A;プランの総括といたしましては、大きく4点の認識をいたしております。
1つ、担い手については、集落営農組織の法人化が進み、新規就農者についても目標数を確保できたが、定着率が課題であること。

2つ、農地の利用集積については、十分に進捗していない状況にあり、農地中間管理機構等の活用が必要であること。

3つ、消費・流通面については、地産地消の取組が進んでいる一方で、県産農畜水産物を県外に発信し、ブランド化をさらに推進することが必要であること。

4つ、環境こだわり農産物については、作付面積が伸び悩んでおり、「みずかがみ」をはじめとする環境こだわり米の作付推進とPR強化が必要であること。

このような成果と課題を認識しているところです。
次に、プランの残された課題や農政改革、TPPの大筋合意などを新たな課題と踏まえ、策定中の滋賀県農業・水産業基本計画では、次のような方向性を示すこととしております。
1つ、担い手への農地利用集積の促進。

2つ、米の安定取引の促進、近江牛の生産基盤強化。

3つ、6次産業化、農商工連携、観光事業者との連携による経営の多角化の促進。

4つ、地理的表示保護制度の積極的活用により、県産農畜産物のブランド力の強化やジェトロの誘致など輸出拡大。

5つ、農業水利施設の効率的かつ計画的な保全更新対策の推進をはじめ、生産基盤の着実な整備、など、産業として競争力のある農業と地域の活性化を目指してまいる所存でございます。

Q;県として、どのように具体的に取り組んでいくのか伺う

A;議員ご指摘のTPPの農業への影響につきましては、米では約18億円、牛肉では約9億円の生産額が減少し、本県への影響が大きいと考えられる6つの品目で約40億円が減少すると試算しております。このため、今後の具体的な取組として、米では、「みずかがみ」の特Aを取得し、県内外の需要を切り拓く滋賀ならではの特色ある米づくりを推進してまいる所存です。近江牛では、ブランド力強化と生産基盤拡大による増頭対策、さらにはインバウンドなど消費拡大対策を併せて実施してまいりたいと考えております。その他の品目におきましても、生産が持続的に発展していくための「守り」の支援策とともに、経営体質強化のための「攻め」の支援策に取り組んでまいります。
これら取組を実施するに当たりましては、国の大綱に盛り込まれた施策内容を分析し、十分に活用するとともに、今後の国の動きを注視し、市町や関係団体、生産者等現場の声を聴きながら基本計画に基づいて着実に実施してまいります。

Q;循環などを重視した農業水利システムの構築について、知事の見解を伺う

A;農業水利システムは、農業用水を安定的に供給するとともに、生活用水などの多面的な機能も県民に提供しており、本県農業を支える重要な施設であります。農業水利施設の整備にあたっては、環境との調和に配慮しながら進めておりまして、これまでから、内湖やヨシ等の環境保全機能に着目した水質対策や、農業排水を再利用する循環かんがい施設、小規模な反復利用施設の整備とともに、これらの施設の適正な維持管理などに、農家や地域住民の方々とともに取組んでいるところです。
本県の農業水利施設の多くは、整備後30 年以上が経過しており、老朽化による突発事故が頻発しており、計画的な保全更新対策が喫緊の課題となっております。その更新にあたっては、今般「琵琶湖の保全及び再生に関する法律」が制定されたことを踏まえ、地域の実情に応じて、

1つ、水田からの排水を抑制する「発生源対策」。

2つ、排水を再び用水として利用する「再利用対策」。

3つ、ヨシ等の自然浄化機能を活用する「浄化対策」をうまく組合せた循環型・節水型の農業水利システムの確立に努めてまいりたいと考えています。
このことにより、本県の基幹産業である農業のさらなる発展を図り、農村集落の風土、文化を次世代に継承してまいります。

Q;滋賀食肉センターの今後の対応について、知事の所見を問う

A;滋賀食肉センター経営研究会中間報告においては、経営改善は、法人自らの収支改善策や役員構成の見直しをはじめとする法人のガバナンスの強化等の自助努力によることを基本とし、県は単なる収支差額の補てんはすべきではないとされております。一方、公益性の高い取り組みに要する経費や、施設の更新に要する経費等、合理的な範囲の公的支援についてはやむを得ないとされております。また、肉用牛の増頭対策や、PR等の消費拡大策についてもその重要性が指摘されております。
県としては、この中間報告に沿って、食肉公社および食肉市場に対し、自主的に改善策を検討するよう、すでに働きかけているところであり、同時に、センターへの支援策や増頭対策等を検討しております。センターの経営問題に対する今後の対応としては、県民の皆さんの御理解を得られるよう、改善すべき部分についてはより一層の改善を求め、支援すべき部分については支援するという姿勢で経営改善を果たし、ひいては県民の誇りである近江牛ブランドをしっかり守っていきたいと考えております。
また、議員ご指摘の「近江牛」輸出の取組みについてでございますが、滋賀食肉センターでは、直近の平成26年度にはシンガポール等、5か国・地域に対して356 頭を輸出す
るなど順調に実績を伸ばしており、今後、取扱量の拡大に取り組んで参りたいと考えております。一方で、米国等、更なる輸出施設認定の拡大については、新たな費用や負担が必要となることが多く、まずは、センターの経営改善に最優先に取り組む必要があることから、費用対効果を十分に検証する必要があると考えております。

原文です↓

去る10月5日にTPP交渉の大筋合意がなされ、現在徐々にではありますが、その具体的な内容が明らかになってきました。今回の大筋合意が衆参両院の決議の趣旨を踏まえたものであるのかについては、年明けの国会での議論を待つといたしましても、現時点において国産米の価格下落など本県農業への影響は避けられない見通しであり、農家をはじめ農業関係者は大きな懸念を抱いているところです。加えて、農地中間管理事業の実施や経営所得安定対策の見直し、減反廃止などの米政策の改革など、国の農政改革が進展していく中で、このような新たな課題にどのように対応し、滋賀の農業を守り、次の世代に引き継いでいくのか、まさに正念場を迎えています。

11月25日には、総合的なTPP関連政策大綱が発表され、農林水産関連の3000億円台の補正予算対応の検討や、農産品の輸出拡大策などが盛り込まれるようですが、まだまだ不透明な部分も多く、政府が目指す「攻めの農業」の方向性も示されたとは言えない状況です。 ①こうしたことを踏まえて、これまで進めてきた「しがの農業・水産業新戦略プラン」の総括と現在策定中の「滋賀県農業・水産業基本計画」が目指すものについて伺います。

 TPPに関連して、今回の大筋合意や政府の示した政策大綱を踏まえて、滋賀県としても農業への影響の把握や分析に取り組み早期に対応策を講じなければなりません。11月20日には副知事を本部長とする対策本部が起ち上げられましたが、職員だけでなく、専門家の知見を得ながら、正確な影響の分析をすることが必要です。また、TPPから滋賀の農業を守っていくためには、現在見直しをされている経営所得安定対策をもう一度充実させ、活用することも重要と思われます。TPP締結により安価な外国産米が輸入され、国産米の価格が下落しても、品質の良いしがの環境こだわり米、とりわけ独自の品種として生み出された「みずかがみ」などの高付加価値化やブランド化を進めることにより、TPPの影響を最小限に抑えることも可能だと思います。②  こうした状況も踏まえて、県として、どのように具体的に取り組んでいくのか伺います。

 滋賀県では、これまで農業水利施設の適切な保全対策や魚のゆりかご水田により、琵琶湖と共生する環境こだわり農業が推進されてきました。このことに関しては、現在「世界農業遺産」の認定を目指す取り組みも進めようとされているところです。滋賀の農業は、琵琶湖などの環境と調和する取り組みによって県内外の高い評価を得てきましたが、琵琶湖保全再生法の制定を契機に、今後、琵琶湖への負荷を軽減する循環などを重視した農業水利システムをしっかり構築していくことが滋賀県農業のさらなる発展につながると思いますが、③このことに対する知事の見解を伺います。

TPP締結により牛肉や豚肉は関税が大幅に引き下げられ、輸入牛肉や豚肉との競合により、全体価格が下落するなど、滋賀県においては、近江牛などへの影響も懸念されるところです。こうした中で、現在、近江牛をはじめとする県唯一の食肉流通拠点である滋賀食肉センターの経営問題が深刻な状況にあります。建設当初予定していた頭数が確保されない中で、累積赤字を解消し、健全な運営を目指すことは、近江牛の輸出拡大も含めて喫緊の課題です。これまで取り組みを進めながらも実現されていない対米輸出食肉を取り扱う「と畜場」の認定についても、再度取り組む必要があるのではないでしょうか。先般、有識者による滋賀食肉センター経営研究会の中間報告もなされたところですが、④県として運営補助をするのかの検討を含め、今後の対応について知事のご所見を伺い、次の質問に移ります。

 

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