オーフス条約における海外の動向について学ぶため、環境学会@淡路夢舞台 国際会議場に参加してきました。
私は午後の海外報告から参加したのですが、午前の部は、日本の取組みが紹介され、コウノトリプロジェクトや藤井さんより菜の花プロジェクトの報告がされています。
そもそも1992年の地球サミットで採択されたリオ宣言第10原則は、環境問題を解決するためには、あらゆる市民の参加が重要であると謳い、オーフス条約はこの理念を具体化したものです。しかしながら、イギリス、フランス等全てのEU加盟国などが批准していますが、現在日本は批准していません。そこでどのような点に課題があるのか、考察の一助とすべく、参加しました。
オーフス条約というのは、環境問題について①情報へのアクセス権②政策決定への参加権③司法へのアクセス権の3つが主要な権利となっています。今回は環境裁判所(オーストラリア・ニューサウスウェールズ州)の長官であるプレストン氏、オーフス条約司法アクセス部会長のダルポ教授、欧州行政裁判官協会前副会長のへールマン氏を始めとして、アクセスイニシアテイブ等市民参加に関わってこられたNGOの方、多くの方が海外の状況について報告されました。
①環境情報へのアクセス権:十分な情報に接することなくしては、意見を述べ、選択もできないということから、情報の収集やわかりやすい情報の提供も重視されています。日本でも情報公開法が制定され、行政の説明責任、透明性の確保という点で、一定の進歩が見られています。しかし、このオーフス条約では、行政だけではなく、環境に関わる一定の公益事業者(鉄道、電力・・)にも、情報公開が義務付けられ、営業の秘密を理由に、環境への排出情報を不開示としてはならないとされています。知る権利、アクセス権は憲法上の権利かという点でも議論がされるところなのですが、行政や公共サービスが私たちの暮らしと関わりが深いことから、非常に重要であるといえます。why?なくして聞けるというのは、個人的には大きいと思います。
②政策決定への参加権:可能な限り早い段階での市民参加です。日本では、環境アセスメントについても意見提出はあっても、それは情報収集のためという考えが強いように思うのですが、オーフス条約やEUの環境アセスメント指令では、市民参加は権利として明文化され、参加手続きに重大な瑕疵があれば権利の侵害として、その後の決定も違法となるとされています。(以前の愛知県で開催されたヨーロッパの統合治水についてのシンポジウムでも、ダムや干拓事業などは当初より利害関係人の参加保障を強く主張されていました)
③司法アクセス権:環境法違反について裁判所に訴えることができるようにすることです。これは何でも訴訟するというのではなく、オンブズマン、不服申し立てなど、違法な行為を是正するための様々な制度が視野にいれられています。
これらを中心に欧州ではどのような状況かを順番に報告頂いたのですが、特に訴訟案件の事例では、原告適格の課題の話もありました。NGOのロビー活動を始めとする積極的な活動が、大きく政策に関わっており、(ここが日本はまだまだ弱いと思うのですが)訴訟主体にNGOがなれるのか、またNGOの規模が問われるのか、など、幾つかの訴訟が各国で取り上げられる中で、議論がされています。日本ではどちらかというとNPOが多いと思うのですが、政策形成に多くの主体が参加する仕組みは日本モデルとしてつくっていくことが必要かしらとも思います。(←このあたりは、政治を私たちのものとして取り戻したいという思いにもリンクします)
今回は環境法にフォーカスしてのシンポジウムではありますが、私たちが関わることについて、理由なくして情報にアクセスできる権利、当初から関わる権利は、他の部分でも言えることです。もちろん、地方自治体レベルでも妥当し、例えば滋賀県での地先の安全度マップ作成は、各地でのワークショップの中でつくられてきたものです。労力はいりますが、合意形成の在り方として、このグリーンアクセス権は重要なものではないでしょうか。。。


