一般質問①:若者政策と不登校について

 

2月議会は、代表質問、一般質問、予算質疑、各種意見書・請願など、通常+予算に加え、年度末で国会の動向で補正予算が追加で上程されたりします。

今議会の一般質問は、以前の若者支援に続いて、若者政策について質問しました。

生きづらさを感じ、誰かとつながりたい、誰かの何かでありたいと思う若者が、社会とつながり、自己肯定感をもち、自分の居場所をつくっていくには、どうしたらいいか?という思いから、中間就労支援体制整備について質問。そして、今の就労支援をする若者を考えると、それまでの学校生活の中で、どう『生きる力』を育むことができたのかを考えたとき、滋賀県でも増えている不登校問題に考えが及ぶこととなり、不登校の現状と対応についても質問致しました。

Q)地域若者サポートステーションの取り組みについて

A)国の委託事業で実施される職業的自立を図るための相談支援に加え、県の独自事業として、企業での就労体験、臨床心理士によるカウンセリング、出張相談等を実施している。

Q)発達障害者自立支援システム構築事業を通して見えてきたものは何か

A)全国に先駆けて昨年度から取組みを開始。学校生活においてトラブルを抱えていた人が多く、成人後もひきこもり状態にあったり、対人関係が上手くいかず転職を繰り返してこられた方などが利用者となっている。早期にこうしたサービスが受けられるよう、より一層学校と連携した取組みをして研究を重ね、事業所へと拡げる必要がある。

Q)若年無業者就労力養成研修に取り組んでいく必要があるのではないか

A)三方よし人づくり事業を滋賀県では2年半取り組んできている。仕事に人を合わせるのではなく、各自が自己肯定感、やりたいことをまとめて仕事とつないでいくことで、かなり正規雇用で中小企業とマッチングをしてきた。このあたりに、若者の安定的な社会参加、就労支援の可能性があるのではないか。

Q)国の緊急雇用創出事業臨時特例基金を活用して実施できないか

A)地域ひとづくり事業に該当するかの検討の可能性があるとも思われるが、どういう事業にするか、研究、検討が必要。

Q)不登校について、学校でのスクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーが対応する中で見えてきたもの、その中でどう対応しているのか。

A)SSWが支援した不登校および不登校傾向のある児童のうち、約50%が「家庭環境」に要因があることが、また約15%に「児童虐待」が疑われ、SCが関わった不登校の生徒の中には精神疾患や発達障害があるとの報告を受けており、福祉機関や医療機関との連携をとっている。また、友人や教師との関係に要因があることもあり、教員研修の充実や学校での居場所づくりなどにも取り組んでいる。

Q)不登校への早い段階での取組みが必要と考えるが、学校での取組みについて

A)国立教育政策研究所の調査によれば、中学校一年での不登校がある場合は、小学校での不登校の経験がある、高校でも同様。欠席が続くと、友人関係や学習への不安も生じるため、欠席が続く場合は、家庭訪問。管理職等と情報共有しながら、少しでも解消されるよう取り組んでいる。

Q)高校一年生の不登校者数が多いが、進路選択に向けて学校の特色を小・中学校にどう伝えているのか

A)中学生には、体験入学や模擬授業、小学生には高校生が出前授業をしている

Q)ひきこもり支援センターの取り組みと役割について

A)支援センターでは、本人や家族からの電話相談や来所による相談、家族を対象とした学習会、当事者の交流事業、訪問型の支援などの取組みを実施。平成22年度の開設以来、相談件数は年々増加している。

 

先日、孤立する若者を地域づくりの主体へと変える社会プラットホームの創造をすべく起ち上げられた福島hajaプロジェクトのシンポジウムに参加してきました。

ハジャプロジェクトは、韓国にあるソウル特別市青少年オルターナテイブ職業体験センターであるハジャセンターを参考にしています。韓国では、1997年のIMF経済危機を背景に設立されました。ハジャプロジェクトは、孤立する一人一人が、そして実践者同士が出合い、つながることで、若者が未来を創っていく主体として参加できるような取組み、失敗しても良い、失敗から学んで進んでいき、生活的自立、職業的自立、社会的自立をし、地域の中で新しい暮らしづくりができるようなプロジェクトとしていきたいとのことでした。

東日本大震災から間もなく丸3年を迎えようとしていますが、復興庁による平成26年2月13日発表のデータによりますと、全国の避難者等の数は約26万7000人とされています。

基調報告で紹介された若者の言葉として心に残った言葉があります。

「僕も誰かの拠点でありたい。居場所が欲しいけど、同時に僕も誰かの居場所でありたい」誰かを支えられる誰かでありたい。」

震災後の若者の問題は、不安定な社会により、主体性・協同を育む場の不足、自己肯定感、関係性の欠如が生じることで社会的孤立状態の増加という平時の課題が深刻化したものであるともいえます。

1.   若者政策

そこで、若者政策について伺います。

①    地域サポートステーションの取組状況について

まず、はじめに地域サポートステーションについて伺います。

草津におうみ若者未来サポートセンターが開設され、今度の3月で2年を迎えようとしています。滋賀県の8つの重要施策の一つである『働く場への橋かけ』として、若者の就労をワンストップで支援するものですが、認知度の向上や各機関との連携もあってか、相談件数も伸びており、就労へも結びついていると、伺っております。

センターの中でも、滋賀県地域若者サポートステーションは、平成24年度の来所延べ数が1919名、進路決定者が231名であり、来所延べ数に対する進路決定者数の割合が12%で全国の地域サポートステーション116か所中2位であると仄聞しています。勿論分母の相談件数の規模もありますが、地域若者サポートステーションの就労支援に向けた取組状況について、商工観光労働部長に伺います。

②    市町との連携について

次に、市町との連携について伺います。

平成24年9月議会でも若者の就労支援として、『おうみ若者未来サポートセンター』について質問させて頂きました。その際に福祉との連携も必要であることから、サポートステーションと市町との連携について質問させて頂いたところ、部長からは、「連携について市町の意見を聞きながら検討していく」との答弁を頂いておりますが、現在、どのような状況か、商工観光労働部長に伺います。

③    中間就労事業について

次に中間就労事業について、伺います。

若者の就労支援については、滋賀の“三方よし”ひとづくり事業に取り組まれ、我が会派としても、その取組みや成果について高く評価させて頂いています。

今議会でも、補正予算の中で、国の緊急雇用創出事業臨時特例基金の枠を若者・女性支援へと拡大するための条例改正案が上程されているところ、この予算を使って事業継続されるとも仄聞しており、今後の事業の益々の成果にも期待を寄せている次第です。

もっとも、滋賀の“三方よし”ひとづくり事業は、「働きたい人」が「働ける」ようにするための人材育成、中小企業とのマッチングを促進し、正規雇用へとつなげていくところであるのに対し、地域サポートステーションへは、「働きたい」ではなく、「働けるようになりたい」という方が相談にいらっしゃいます。

一般に職業訓練として、テクノカレッジやハローワークが実施するパソコン講習による資格取得といった技能研修については、メニューも豊富になっていますが、技能の問題以前に社会との関係性やコミュニケーション能力での課題が見受けられ、就労へと繋がるように、システム化された職業体験を通じてこれらの改善に取り組んでいく必要があるとも伺っています。

昨年7月、私は、北海道月形町へ若者サポート支援事業の調査に行ってきました。

月形町では若者がまちの中にある一戸建で共同して暮らしながら生活訓練をし、職場体験を通じて、社会性、コミュニケーション能力の向上に向けた支援で、就労につなげていらっしゃいます。

私も一緒に農業体験をしたり、お話をさせてもらいましたが、何気なく皆と話している時に笑顔がよくみられるようになり、最近お弁当の工場で楽しく継続して働けるようになった方もいるそうです。

そこで、滋賀県では、発達障害者自立生活支援システム構築事業を昨年度から取り組まれ、生活訓練と就労訓練を一体的に提供し、地域で自立した生活ができるよう支援をされていますが、その事業の中で見えてきたものについて、健康福祉部長に伺います。

現在の地域サポートステーションでは、相談が主体であり、職場体験も単発での実施など、体系的に取り組むには難しいという課題がございます。一般の就労が困難な方に対して、少なくとも、職場体験を身につける場の開拓と職業評価をし、就労につながるような個別支援計画ができる相談事業の受け手としての仕組みづくりが必要と考えます。このような言わば『若年無業者就労力養成研修』に取り組んでいくべきではないかと考えますが、知事に所見を伺います。併せて、先の基金の活用により、この事業を実施できないか、その活用の可能性について、商工観光労働部長に伺います。

④    若者の社会参画について

次に若者の社会参画について伺います。

成熟した市民社会では、一人一人が、社会に主体的に参加することが期待されますが、必ずしもすべての人が自発的に社会とのかかわりをもつことのできる環境にないことも指摘されるところです。 滋賀県では、こども県議会などの取り組みを通じて若者の社会参画を進めてきているところですが、日本では若者の選挙の投票率の低さから見られる社会への無関心があるなかで、若者の県政への関心を促していく一つの手段として、県職員の方などが高校へ出向いて、生徒と県政の課題について、直接話す機会を設けてはどうかと考えます。

生きる力を育み、社会の一員である自覚をどう育てていくかという中で、この提案について教育長の所見を伺います。

2.   不登校問題

次に、不登校問題について伺います。

図-1 こちらのグラフをご覧ください。

小学校、中学校、高校における過去10年間の不登校者数のデータです。

不登校とは、長期欠席理由のうち、病気や経済的理由、その他を除く30日以上の欠席の場合をさします。

不登校については、家庭環境、学校環境、発達障害など、様々な要因があります。全体の中では、中学校が多いですが、これは、思春期に入って身体の急激な成長で、精神的な負荷がかかる時期であるこいとを示しているともいえます。

不登校について、小学校では、スクールソーシャルワーカーが、中学校、高校においては、スクールカウンセラーが対応されています。この対応の中で見えてきたものは何か、また、その中でどのように対応されているのか、教育長に伺います。

不登校が長期化すれば、社会とのつながりも希薄になり、将来的に不就労へとつながる恐れもあり、早い対応が必要と考えますが、この点についてどのような取り組みがされているのか、教育長に伺います。

また、小、中、高の中で、近年の高校における不登校者数の増加は、気になるところです。

そこで、こちらの単位制を除いた高校の学年別のグラフをご覧ください。

①    入る前の取組

高校1年生時の不登校者数が一番多く、特に近年伸びています。

そこで、高校に入る前の取り組みについて伺います。

ほとんどの子ども達が中学校までの義務教育を得て、中学校3年生で、初めてキャリア選択をする機会となります。しかしながら、高校1年生での不登校者数の増加は、学校と自分とのミスマッチや、試験結果等のやむなき選択により、必ずしも自ら臨んだ高校に進学できたわけではないといった事情も考えられます。

滋賀県では、魅力的で活力ある学校づくりを進めていただいておりますが、各学校の特色について、高等学校に入る前の小学生や中学生に対して、各学校の魅力や特色が伝わるためにどのような取組をされているのか、教育長に伺います。

②    入学後の取組

また、高校入学後、早い時期から不登校にならないための対応が必要と考えますが、どのような取り組みをされているのか、合わせて教育長に伺います。

③    中退時の取組

それにも関わらず、やむなく、中退に至る場合もあります。一度中退して、社会との接点がなくなってしまうと、引きこもりや将来の不就労へとつながるおそれもあります。また、個人情報保護の観点から、中退者の実情が把握がしにくくなるという懸念もございます。中退時における学校の支援として、どのように対応されているのか、教育長に伺います。

④    引きこもり支援センター

次にひきこもり支援センターについて伺います。

社会的ひきこもりが、社会でも広く認識されるようになったことを背景に、国のひきこもり対策推進事業実施要領により、滋賀県でも平成22年4月から、ひきこもり支援センターが、精神保健福祉センターに設置されています。

ひきこもりには、社会的ひきこもりや障がいなどの背景がありますが、なかなか障がいがあることの認知や受入れがされなかったり、精神保健福祉センターという3次相談機関であることから、他の相談窓口を利用後に訪問されるケースも多いと仄聞しています。

これまでの取り組みと、ひきこもり支援センターとしての役割をどのように捉えていらっしゃるのか、健康福祉部長に伺います。