一般質問;学ぶ力向上に向けて

 今年度の学力、学習状況調査結果が発表されました。特に今年は3年に一度の理科についても調査されましたが、ものづくり立県しがとしてこどもたちの理科数学への興味関心、そして将来の夢や目標をもっているかが、全国比でみても低いのが気になるところです。そこで、滋賀県教育の改善された点、今後の課題について、質しました。 また、今年度から始まった総合教育会議について、これまで傍聴して感じたことやあり方について、質問しました。

(1) 学力・学習状況調査結果について

 ①この一年の学力向上の取組をどのように評価しているのか、教育長に伺う。

→この一年の学ぶ力向上の取組の評価についてでございますが、「学ぶ力向上 滋賀プラン」の6つの視点をもとに総合的に改善策を分析し、検討したことで、具体的な事業を推進することができるようになったことがあげられます。 例えば「学ぶ力パワーアップ事業」や「放課後等活用事業」などに取り組んだことで、基礎・基本の定着や生活習慣、学習規律が改善されたと捉えております。また、「書くこと」の取組を多く取り入れることや、自分の考えを発表する機会が増えたことで、思考力、判断力、表現力が高まり、B問題の改善につながったと考えております。

一方、マイナスの評価といたしましては、小学校低学年の段階から、個々の子どもたちの力を把握し、できない問題に対しては、ねばり強く指導することや、目標をもたせ、繰り返し学習をさせることが十分でなかったと考えております。

 ②昨年度の点数分布と今年度の点数分布で変化が見られるのか、教育長に伺う。

→点数分布の変化については、小学校では、昨年度、国語、算数のA問題、B問題とも、上位層の児童が全国と比べ少なかったものが、今年度はかなり回復したと捉えております。しかしながら、全問正解や一問のみ不正解の数については、依然、全国との差が見られたところでございます。

一方、中学校では、平均正答率が全国と比べ差が広がった国語のA問題では、昨年度は、ほぼ全国と同じ点数分布であったものが、今年度は、平均点より少し上の層が、全国と比べ少なくなりました。逆に、国語のB問題や数学のB問題では、昨年度は、中・上位層が全国平均より少なかったものが、今年度は回復し、中位層については、ほぼ全国の点数分布に近づいたと捉えております。

③本県における点数分布の状態をどのように評価しているのか、教育長に伺う。

→先ほど答弁いたしましたような点数分布から、B問題では、小学校、中学校とも中上位層の児童生徒の回復が見られたところでありますが、これは、授業の中で、思考力、判断力、表現力を高める取組が少しずつ浸透してきた結果であろうと考えております。

しかしながら、分布は、全国平均に近づきつつあるものの、子どもたちの力をより一層伸ばすためには、上位層、下位層、中間層などの児童生徒たちのもつそれぞれの課題や目標を明確にし、全体の力を向上させることで、点数分布を上位の方へスライドさせることが重要であると考えております。

そのためには、基礎・基本と活用の力の両方を高める必要があり、授業を改善し、学ぶ力の向上に引き続き全力で取り組んでまいります。

④数学、理科の調査結果について、どのように捉えているのか、知事に伺う。

→今年度の調査結果ですね、特に中学校数学、理科の点数分布、先ほどらい議論いただきましたが、分析いたしますと、数学Bと理科では、いずれも点数の中・上位の層が全国平均と比べて少ない、一方下位層が多いというところが気になるところでございます。

また、お取りあげいただきました、生徒質問紙から、数学や理科への取組の様子を見ても、「勉強は好きですか」という設問に対し、「そう思う」と答え、回答している生徒が全国よりも少なく、意欲や興味関心が低いことに対しても危機感をもっております。ちなみに「理科の勉強は好きですか」という問いに対して全国平均では「どちらかといえばあてはまる」も含めて61.9%に対しまして、滋賀県は53.5というこの差がございます。

特に、中学校の数学や理科では、抽象的思考や観察実験などをもとに、分析的・論理的に学ぶことから、理解度の差が広がることもあり、一人ひとりの状況を把握し、興味・関心をもって取り組めるようにすることで、それぞれの力を伸ばすことが必要であると考えております。

そういうことから、今回の調査結果をより詳しく分析をて、私の方からは、「個々の子どもがどういう状況にあるかをとらえよう」と、2つ目は、「わからない子ども、もしくは、わからないところに対して手立てを打とう」と、3つ目は「それらを踏まえた授業の工夫改善について、まだまだやれることがあるだろう」と、特に理科は3年に1回の調査でありますが、この理科の授業、指導の在り方、こういったことに、是非しっかりと踏み込んだ検証をしようじゃないかということを教育委員会に対しても、お願いをしているところでございまして、こういったことに着目しながら、学ぶ力を高め、将来につながる基礎的な力や技能が身に付くよう、取り組んでまいりたいと考えております。

⑤理科、数学の強化について、今後どのように取り組むのか、教育長に伺う。

→中学校の理科では、せきつい動物を答えたり、天気図の記号から風力を読み取ったり、電気抵抗の大きさを計算したりする問題の平均正答率が全国と比べ差が大きく、基本的な知識や計算に課題が見られました。

一方、数学Aでは、度数分布表の階級や中央値を求める問題、また、確率を求める問題で差が大きく、基本的な考えや概念が理解できていないことがわかりました。数学Bでは、関係式が成り立つ理由や、グラフを使って内容を説明する問題など、記述で答える問題に課題がありました。

これらのことから、理科や数学の授業においても、まずは基礎・基本を徹底し、考え方を定着させるように取り組むことが重要だと考えております。さらに、知識を実際の生活で使ったり、説明したりする学習活動を充実することが必要であると考えており、その改善に取り組んでまいりたいと考えております。

⑥学習支援団体との連携について、定期的な意見交換の場 を持つべきではないか、教育長に伺う。

→学習支援事業につきましては、県内10市で取り組んでいただいており、また、日本語指導が必要な子どもたちの学習支援教室として8グループが活動をいただいているところでございます。

市町の社会福祉協議会やNPO法人、学生ボランティア団体などの学習支援団体の皆様方には、コミュニティーセンターや公民館、図書館の場を活用して、中学校の進学支援サポートや、宿題を中心とした個別指導、日本語指導が必要な子どもたちへの母語での学習などの指導をしていただいておりまして、大変大切な形だと、支援団体との教育をしっかり進めていかなければならないというふうに思っております

⑦ 学習状況調査の中での「将来の夢や目標を持っていますか」の結果について、どのように捉えているのか、教育 委員長に伺う。

→学習状況調査の中で、「将来の夢や目標を持っていますか」の結果についてでございますが、子どもたちというのは、未来の社会を支えていく主体であります。その成長というのは、これからの社会を左右すると考えられます。いつの時代も科学技術の進歩や社会の発展の原点は、夢にあると思っております。

 そのためにも、子どもたち一人ひとりが夢や目標を持って学生生活を送ることで学ぶ力を高め、確かな学力や、豊かな心、健やかな体を身に付けていくことが、重要であり、このことが教育の重要な役割であると考えております。

 今年度の学習状況調査の結果、「将来の夢や目標を持っている」と答えた割合は、中学校ではやや改善しているものの、全国平均を下回っているという状況においては、重く受け止めているところであります。

 社会に出れば、様々な情勢の中、楽しいことばかりではなく、困難なことも多くあることから、子どもたちには、将来の夢や目標を持っていただき、新しいことや難しいことに失敗を恐れないで挑戦していく、人の役に立つ人間になりたいという気持ちを高めたりしていくことが大切であると思っています。そのような力強さを身に付けていただきたいと考えております。

⑧ 学習状況調査の中での「将来の夢や目標を持っていますか」の結果について、どのように捉えているのか、知事に伺う。

→私は、これは知事に就任させていただく前から、「夢と生きる力を育む教育」を実践しようということを提唱させていただいております。その夢と生きる力を育む重要な要素が学力、その学力というものを高めていくために伸ばしていかなければならないと考えますのが、その根底にある学ぶ力。

 したがって、学力テスト、学習状況調査、もちろん正答率で計られるこのテスト結果も大事なんですけれども、縷々お取り上げいただいております、学習状況調査、児童生徒がアンケートに答えます、この学習状況調査の状況を、もう少し深く踏み込んで分析して対策をとろうじゃないかということで、この「学ぶ力向上プラン」をつくり、6つの視点で、この「学ぶ力」を向上をさせるための指標というものをプランの中で掲げて、それぞれを向上させていく取組をやろうということで取組をしております。

 そういう中で、この間の取組でいくらか上回ったこと、改善したこともあるのですが、「将来の夢や目標を持っていますか」ということについては、小学校ではやっぱり昨年よりも少し下回ってしまい、また、中学校では少し上がったものの、全国平均よりも下回っているということがございます。

 したがって、私、こういう夢や目標を持とうというのは容易なことじゃないと思うんですけども、私たち自身が、私たちの世代が夢や目標を持って生き生きらんらんと活動できているのか、また、日々子どもたちに「お父さんは、私は、こういうことが夢なんだ。」と語れているかどうか、先生方が子どもたちにそういう振る舞いができているかどうかということも、この子どもたちが将来の夢や目標を持てるかどうかの1つの大きなポイントであるのではないかなあということを考えて、教育環境の改善でありますとか、様々な機会を捉えた発信と、呼びかけというものを、これからも充実させてまいりたいと考えておりますので、是非また議員の御協力を賜れればと存じます。

(2) 総合教育会議の議論について

 ①小学校からみた保育園・幼稚園との連携について、どのように取り組んでいるのか、教育長に伺う。

→幼児期から児童期にかけての教育は、生涯にわたる学びの基礎となる極めて重要なものであり、子どもたちが小学校低学年で身に付ける学習規範や学ぶ姿勢は、幼児期の「学びの芽生え」の中で培われます。

そのため、県教育委員会では、今年4月に「学びの基礎指導の手引き」を作成し、県内すべての幼保小中・認定こども園に配付して保幼小連携を推進し、幼児と児童の交流を進めているところでございます。

また、子どもの状況を把握し、幼児教育と小学校教育に連続性や一貫性をもたせることが重要であり、保幼小の職員による話合いや保育・授業参観を定期的に開催したり、「接続期」のカリキュラムについて検討したりするなどの取組を進めているところでございます。

②保育園からみた小学校との連携について、どのように取組んでいるか。

→保育所におきましては、国が定める「保育所保育指針」に基づき、小学校の行事への参加や体験入学などを通じた交流を行うとともに、「児童保育要録」により、子ども一人ひとりの情緒の安定や健康状態、発達の状況など、養護や教育に関わる事項等を小学校に申し送り、円滑な就学につなぐための情報共有や相互理解を図る取組がなされているところでございます。県としては、保育所への指導監査の機会を捉えまして、小学校との連携の取組について、指導、助言を行っているところでございます。

③小中連携の状況について、教育長に伺う。

→小中連携の状況につきましては、平成24年度より、県内8中学校区を研究校に指定し、小・中連携研究推進事業を実施しているところでございます。具体的には中学校教員が小学校で指導を行う専科指導の在り方や、学習指導、生徒指導、学校経営等の円滑な連携に関する研究に取り組んでいるところでございます。

これらの事業を通し、「児童生徒の様子について日常的に情報交換することで、生徒指導のあり方を小・中学校間で見直し、共通理解をすることができた。」や、「小学校から中学校に進学した時に、先生や児童生徒が顔を知っていることにより、安心して学校生活を送っている。」などの報告をいただいているところでございます。

④塾からは、滋賀県教育についてどのような指摘がされたのか、教育長に伺う。

→本年度、第2回目の滋賀県総合教育会議では、塾など外部の教育関係団体の方を招き、「多様な教育主体の取組について」と題して、議論をしたところでございます。

外部の有識者の方からは、「子どもが進路をあきらめなくてもよいように学力を付けること」「人生のいろいろな可能性を考えられるようにするためにも、学力を伸ばすことが必要である」という意見や「塾では、こつこつと勉強できる良い習慣をつけるよう取り組んでいることや、最近、子どもたちのあきらめが早くなっていると感じている」などの報告をいただいたところでございます。

また、「より良い教育のためには、ICTを活用し、子どもたち一人ひとりのペースに対応することが必要」や「そのことにより教員の負担軽減を図り、人間力を高めるなど教師にしかできない教育に集中することが大事である」といった指摘をいただいたところでございます。

⑤指摘を踏まえて、どのような点を改善しようと考えているのか、教育長に伺う。

→総合教育会議で指摘いただいたことは、「学ぶ力向上 滋賀プラン」ですすめている、「子どもたち一人ひとりの学ぶ力を高め、夢と生きる力を育てる取組」と通じる点が多いと感じております。

 中でも、繰り返し学習することで、生活習慣や、学習規律を身に付けることや、子どもたち一人ひとりに対応した教育を進めるためには、タブレットなどICTを活用した教育を進めることが必要であると改めて認識を深めたところでございます。これらを踏まえ、「学ぶ力向上 滋賀プラン」を進める中で、適切に授業を構築し、引き続き授業改善を進めるとともに、児童生徒一人ひとりに応じた学ぶ力の向上にさらに力を入れて取り組んでいきたいと考えております。

⑥アーカイブシステムの活用について、教育長に伺う。

→アーカイブシステムの活用についてでございますが、現在滋賀県総合教育センターにおいて、授業や学級経営等の教育活動に役立つ様々な情報を蓄積し発信することで、教職員が活用できるようにしております。その中には、子どもたちが学んだことを評価する「学び確認テスト」や課題を繰り返し行う「学び直しプリント」などがあり、教材のデータベース化に取り組んでいるところでございます。

また、ICTの活用を支援する情報や、若手教員のための学級活動の指導資料などを発信しており、多くの教職員がアーカイブシステムを活用することにより、授業力や学級経営力の向上が図れるようしております。今後も、これらの内容の充実にさらに取り組むことで教職員を支援してまいりたいと考えております。

 掲示板の機能を新たに加えるなどの改善点の検討について、教育長に伺う。

→ただ今、議員からご指摘いだたきましたように、このデータベースを活用いたしまして、これまでベテラン教員が蓄積をしてきました授業のやり方や教材につきまして、多く蓄積をすることで、若手教員が増えるこの時代に、教員全体が、お互い同士情報を交換しながら、力を発揮できるようなそういうシステムに今後もしっかりとするよう取り組んでまいりたいと考えます。

⑦e-Learningシステムの導入について、どう考えるか、教育長に伺う。

→本年度、滋賀県総合教育センターでは、児童が、それぞれの習熟度に応じた課題を選択して学習に取り組めるデジタル教材を作成し、県内2校を対象に研究を進めているところでございます。デジタル教材を使うことで、子ども自身が自分で選んだ教材に取り組んだり、必要なヒントを得ながら学習を進めたりするなど、主体的に取り組むことができるようになりました。

今年度は、これらの研究成果物であるデジタル教材を、滋賀県総合教育センターのwebサイトで公開できるようにすることとしており、e-Learningシステムの実用化に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。

⑧今後の総合教育会議について

→ありがとうございます。駒井議員には、何度も総合教育会議に来ていただきまして、感謝申し上げたいと存じます。

この間も縷々、ご指摘いただいたように、時代、社会の変化、変遷の中で、子どもたち、教育を取り巻く環境も、私たちが育った頃から大きく変わってきていると。また、課題、問題というものは多様化して、複雑化して、非常に対応が困難なものもございます。

しかし、子どもたちには無限の可能性がありますし、上手く引き出してあげられれば色々な可能性を秘めているということでございますので、私自身、この「教育」につきましては、県政の最重要課題であると位置付けて、折しも、法が改正され、総合教育会議ということで変わりましたので、藤田委員長、また、河原教育長をはじめ委員の皆様方にも、様々なご指導をいただきながら、この教育行政を推進するための力強いエンジンとなる会議にしたいというふうに考えております。

むしろ藤田委員長からは、こうした総合教育会議の中で、どのようなことを議論し、また、どう改善に結び付けていくかということが、ひいては滋賀県に住んで子どもを育てたい、学ばせたいと思われるような、そういう取り組みにもつながっていくだろうという、そういう思いを持って今、この総合教育会議を活用し、また、充実させていきたいと考えているところでございます。

ご紹介いただきましたように、就学前の教育について、また、塾をはじめ多様な教育主体との議論について、その次の3回目は放課後児童クラブの在り方等についても、関係者に来ていただいて議論をしたところでありますし、こうしたことを公開の場で議論することによって、その場に来ていただくもよし、そしてしっかりと見ていただくもよしということを今、特徴として進めているところでございます。

ぜひ、冒頭にご指摘いただいた学習支援団体との連携の在り方についても、こうした総合教育会議の場で議論できるかできないか考えてみたいと思いますし、ご指摘のありました総合教育センターのホームページ、アーカイブシステムの充実、活用ということで、大変有益ではないか。そのときに、掲示板のようなものを設置して、学校にいながら、行けないけれども、もう少し双方向のやりとりができるということも、私は極めて有効なシステムであると思いますので、そういったご提案をぜひ活かしながら、充実に向けて、この総合教育会議をさらに活用してまいりたいと考えております。

以下、質問文です↓

1、   学力・学習状況調査結果について

今年の学力・学習状況調査結果が公表されました。昨年度からも学ぶ力向上に向けての取り組み、今年度からは、新規で教科指導力 ステップアッププロジェクトとして、放課後等活用事業や家庭学習の充実に向けた取組みなどをして頂いているところです。

この一年の学力向上の取組みをどのように評価されているのか、教育長に伺います。

その年ごとの特色はあるかと存じますが、②   昨年度の点数分布と今年度の点数分布で変化は見られるのか?教育長に伺います。

本県における点数分布の状態をどのように評価しているのか、教育長に伺います。

学習状況調査の中で、国語、数学、理科すべてにおいて、小中ともに、「科目の勉強は好きですか」「大切だとおもいますか」「よくわかりますか」「将来、社会に出た時に役に立つと思いますか」の質問に対して、当てはまるとの回答が、全国平均よりかなり低い結果となっています。

学力調査の結果から見ると、中学校の数学Bでは、正答率20%以下が約33%、正答率40%以下でみると約60%。一方で、正答率80%以上は約5%で上位層が厚いわけでもありません。 また、中学校の理科では、正答率20%以下が約13%、正答率40%以下でみると約40%。一方で、正答率80%以上は約12%だが、福井県、富山県、石川県、秋田県では上位層が15%を超えています。

特に滋賀県では、ものづくり立県として、少子化、地方創生の観点から、研究施設の誘致、イノベーション、インキュベーションの創出を謳っており、理工系の人材育成が求められるところです。④ 数学、理科の調査結果について、どのように捉えているか知事に伺います。

滋賀県のこどもたちが、滋賀で育ち、滋賀で働いていくためにも、理数系科目の学力向上が求められます。これら調査の結果を踏まえれば、学ぶことの意義、楽しさを感じることが、学習意欲、学力向上にもつながるといえるのではないでしょうか。

キャリア教育の一環で、チャレンジウィークなどに取り組んでいらっしゃいますが、理工系人材育成の観点から、より一層企業との連携を深めるなど、民間活力なども取り入れることが必要と考えられる。⑤ 理科、数学の強化について、今後どのように取り組むのか、教育長に伺います。

今年度、放課後等活用事業として、放課後学習支援員の派遣などをされています。これまで、ボランテイアによる外国籍の子どもたちの学習支援や、近年は、福祉的観点から、市町や福祉団体も学習支援に取り組んでいらっしゃいます。⑥ 学習支援団体との連携について、教育長に伺います。

→定期的な意見交換の場をもつべきではないか?(教育長)

学習状況調査の中の「将来の夢や目標をもっていますか」について、小学校、中学校とも依然として全国平均より低い結果となっています。⑦ 学習状況調査の中での「将来の夢や目標をもっていますか」の結果について、どのように捉えているか、教育委員長に伺います。

知事は、『夢と生きる力を育む教育』を提唱していますが、⑧ 同様に、どのように捉えているか、知事に伺います。

 

2、   総合教育会議の議論について

今年度より新たに設置された知事主催の総合教育会議が、4月以降、これまで4回に亘り、開催されてきました。 私も何度か傍聴させて頂きましたが、知事と教育委員会が重要な教育課題を共有すると共に、有識者や関係者を招いて意見交換をして、本県の施策の方向性を議論されています。

そこで、これまでのテーマに関して、質問をさせて頂きます。

1回目は、「就学前教育の充実と義務教育への円滑な接続」について議論されました。以前、会派で福井県の教育に関する取組みについて調査させていただきましたが、福井県では、生涯にわたる学習の基礎をつくる幼児期と、社会と深くつながる高等学校での教育を充実し、接続を重視した一貫性のある「福井型18年教育」を推進されています。

現在、こども園への移行が進められていますが、幼稚園、保育園から小学校へは生活リズムや教科学習が入ることによる環境の変化が生じます。その中で、近年小学校1年生の不登校が全国的にも増加していることは大変残念なことです。

次年度こどもたちが入学する小学校の様子や入学してくるこどもたちの様子を知ることで、教師同士が相互連携・理解しあったり、こどもたちが交流することによって、スムーズな移行が図られると考えますが、① 小学校からみた保育園・幼稚園との連携について、どのように取組んでいるか、教育長に伺います。

保育園からみた小学校との連携について、どのように取組んでいるか、健康医療福祉部長に伺います。

先の学力調査の結果もそうですが、小学校中学校における基礎学力の重要性はいうまでもありません。

ところが、その一方で、高校と異なり、留年制度がないため、理解の進度に関わらず、学年があがっていく中で、学習到達含めたきめ細かな連携が必要です。文部科学省でも、小学校から中学校への進学における環境の変化に対していわゆる中1ギャップなどに直面したことなどにより取組みが始まった小中連携について、調査から、中学生の不登校出現率の減少、全国学力・学習状況調査における平均正答率の上昇、異年齢集団での活動による自尊感情の高まりといった効果が得られているとされています。③ 小中連携の状況について、教育長に伺います。

 

次に、2回目の総合教育会議では、「多様な教育主体の取組みについて」をテーマに、塾など民間の教育主体を招いて議論をされたところです。

塾からは、滋賀県教育についてどのような指摘がされたのか、教育長に伺います。

指摘を踏まえて、どのような点を改善しようと考えているのか、教育長に伺います。

これまで議会では、子どもの教育について議論もされてきましたが、同時に教職員のメンタルヘルス問題やこどもと向き合う時間の少なさなども指摘されてきたところです。アーカイブシステム、いわゆる教材データベースを活用すれば、それぞれの先生がつくった教材などのデータを活用できるほか、掲示板のような機能を使って、先生同士が相談したりできれば、より授業力の向上にも取り組めると考えます。⑥ アーカイブシステムの活用について、教育長に伺います。

基礎学力の定着には、繰り返し類似問題を解いたり、間違えたところをしっかりと認識してできるようにしていくことが重要です。どの部分が弱いかは、個人それぞれであり、個別対応を先生がすべてするには、作業コストと効率の上でかなりの無理があるといえます。

滋賀県では、県庁職員の研修の一部でe-leaningシステムを導入していますが、最近では、学校教育において、e-leaningシステムを取り入れるところも増えてきました。一昨年度、滋賀県の企業が、全国でe-leaning対象を受賞されるなど注目もされ、県内でも学校との連携でその効果も報告されたところです。このようなシステムを用いることで、先生にはしっかりと生徒と向き合う時間をとっていただき、人間にしかできないコミュニケーションを重視した指導に注力してもらうことも重要ではないかと考えます。⑦ e-leaningシステムの導入について、どう考えるか、教育長に伺います。

最後に、総合教育会議は、今年度4回の会議となっていますが、教育を巡る課題は複雑であり、今後も知事と教育委員会で、更に関係各位とが意見交換できる場を設け、理解しあい、信頼関係をつくっていくことがこどもたちの教育政策をつくる上でも、教育現場でも重要となると考えます。今後の総合教育会議について、知事に伺います。