11月議会代表質問①平成28年度予算と総合戦略について

 「いのち」を守り、「人の力」を活かす、『草の根自治の滋賀』を発展させ、琵琶湖をはじめ自然と共に生き、全ての人に居場所と出番がある 『共生社会・滋賀』をつくり、「しがの力」を伸ばし、活かし、力強く持続的な『経済と雇用の滋賀』をつくるというチームしが3つの理念のもと、我が会派では、この秋、19市町のご要望と、各種団体との意見交換を重ね、また調査活動をしてまいりました。

 この「共生社会 滋賀」を創る上での重要な視点の一つである「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」いわゆる「障害者差別解消法」も、来年4月から、施行されます。

そのような折、先般、アイエスエフネットグループ渡邉社長のお話を聞く機会がありました。

このアイエスネットグループは、東洋経済新報社が今年9月に行った「障害者雇用率ランキング」において、グループ全体で335人、雇用率11.52%で2位にランクインされ、2020年には1000人雇用の目標を掲げている会社です。

ここでは、生活保護や引きこもりを始め、病気や障害など様々な事情で就労が難しい方々に対して、安心して働ける環境を創造し提供する取組みを積極的にされており、できないをできるに変えて実行することの大切さを伺うことができました。

互いに補い合い、強みを活かして、ひとりひとりが気持ちよく過ごせる滋賀の実現に向けて取り組んでまいります。

  このような観点を踏まえ、今議会では、大きく9つの視点から質問をさせて頂きました。

1、平成28年度予算と総合戦略について

Q;平成28年度予算についての基本姿勢を伺う

A;人口減少・超高齢社会の到来や、TPP交渉の大筋合意など、本県を取り巻く内外の情勢は大きく変化をしております。こうした中、「基本構想」やこれを推進するためのエンジ
ンであります「人口減少を見据えた豊かな滋賀づくり総合戦略」に基づきまして、「夢や希望に満ちた豊かさ実感・滋賀」の実現に向けて、施策を着実に展開していくことが求められているところです。とりわけ、総合戦略において掲げております人口減少を食い止め、人口構造を安定させるためのプロジェクトや、琵琶湖の保全・再生に向けた取組につきましては、しっかりと取り組む必要があるものと考えているところです。

Q;今回の決算特別委員会の結果を受けて、どのように平成28年度予算に反映していくのか

A;本県財政について、経常収支比率や公債費負担比率が、前年度に比べ悪化し、県の財政は依然として弾力性に乏しく、硬直化した状態にあることなどを踏まえまして、決算特別委員会におきましては、「地域防災力の向上」や「いじめへの対応」などをはじめとして、各部局の所管事項に対して、多くのご指摘をいただいたところでございます。平成28年度の予算編成にあたりましては、今回の決算特別委員会で委員の皆様よりいただきました貴重なご意見等を踏まえ、平成26年度決算をしっかりと検証し、「夢や希望に満ちた豊かさ実感・滋賀」の実現に向けて、施策構築を図ってまいります。

Q;基本構想の重点政策や総合戦略のプロジェクトの予算上の特別枠の見解について

A;平成28 年度に向けましては、基本構想の基本理念であります「夢や希望に満ちた豊かさ実感・滋賀」新しい豊かさの創造・追求の実現に向け、基本構想に掲げております7つの重点政策を着実に推進していくため、「人口減少を見据えた豊かな滋賀づくり総合戦略」をエンジンといたしまして、施策の展開を図ることとしたところでございます。これらの施策を具体化するため、真に必要となる事業につきましては、予算上の重点化特別枠を設定することといたしました。予算編成に先立ちまして、本年8月から、関係部局が横断的に施策を練り上げ、私と関係部局長が一堂に会し、政策課題協議を進めてきております。特に、今年度は、総合戦略の策定と平行して協議を進めてきたことから、この総合戦略に掲げます19のプロジェクトに重点を置いて政策議論を行いました。
また、新たな施策、事業の展開にあたりましては、
・新しい豊かさの具現化
・世界から滋賀へ、滋賀から世界へ
・他の自治体のモデルとなる滋賀ならではの人口減少への対応
・対話や共感、協働
などの視点を重視いたしました。今後、基本構想とそのエンジンである総合戦略を着実に推進するため、こうした政策議論の結果をしっかりと踏まえながら、予算編成を進めてまいります。

Q;総合戦略推進のための連携のとり方、プロジェクトの目標管理や見直し方法についての見解如何

A;総合戦略を着実に推進していくため、総合戦略に掲げます19 のプロジェクトを具体化する実施計画を、今年度中に策定し、しっかりと進行管理をしてまいりたいと考えておりま
す。
また、「人口減少を見据えた豊かな滋賀づくり推進本部」による全庁を挙げた取組のほか、8月に設置いたしました各関係団体で構成いたします「人口減少を見据えた豊かな滋賀づくり推進協議会」や、県と市町が連携してそれぞれの総合戦略を推進するために新たに設置する組織などを通じて、連携の取組を進めてまいりたいと考えております。
併せまして、各プロジェクトの重要業績評価指標(KPI)の進捗状況を、毎年度、県議会や推進協議会等に報告し、ご意見をいただきながら、点検および評価を行い、必要に応じ
実施計画について新たな事業の追加や廃止を行うなど、柔軟に対応してまいりたいと考えております。

Q;知事選挙における政策提案集について、その進捗状況と、政策提案集と基本構想ならびに総合戦略との整合性、また、進捗状況をどのように自己評価されているのかを伺う

A;まず、その進捗状況につきましては、知事就任後1年間の取組として6月末現在で取りまとめ公表したところでございますが、政策提案集に掲げました260 項目のうち「着手済み」が235 項目、「検討中」が16 項目、「未着手」が9 項目となっております。基本構想・総合戦略との整合性についてでございますが、政策提案集では3つの理念と7つ星の政策を掲げましたが、その内容は、基本構想における7つの重点政策の中にしっかりと取り入れたつもりでございます。そのうえで、10 月に策定いたしました「人口減少を見据えた豊かな滋賀づくり総合戦略」を、基本構想推進のエンジンとして位置付けました。
自己評価といたしましては、これまでの間、知事としての仕事を務めさせていただき、政策提案集に掲げた項目の大半に着手することができたという意味においては、まずは着実なスタートが切れたのではないかと考えております。
今後は、議会はじめ、県民の皆様からのご意見・ご評価を真摯に承りながら、具体の成果が出せるよう強い決意で取り組んでまいる所存でございます。

↓ 以下、原文です。

平成28年度は、滋賀県基本構想の計画期間の2年目にあたり、平成30年度までの4年間の計画の目標達成に向け、着実に実績を積み上げていけるよう礎を固める重要な年でもあります。

また、これまで人口増加が続いてきた本県においても、人口減少局面に入ったと推測される中、生産年齢人口減による生産力・需要の減少や、高齢化に伴う社会保障費の増大、介護・医療従事者の不足等など様々な課題への対応が求められます。

10月に策定された「人口減少を見据えた豊かな滋賀づくり総合戦略」では、こうした状況を見据え、今後目指すべき滋賀の将来像を提示し、それらを実現するためのプロジェクトを展開することとなっています。

一方、財政状況に関して、国は「地方の安定的な財政運営に必要となる一般財源の総額について、2018年度までにおいて、2015年度地方財政計画の水準を下回らないよう実質的に同水準を確保する。」としています。

しかし、「地方においても、国の取組と基調を合わせ徹底した見直しを進める」とされており、こうした国の地方財政への考え方を踏まえれば、県の一般財源の総額についての伸びを期待することはできない状況にあります。

依然厳しい財政状況が続く中で、基本構想の重点政策や総合戦略を実現していくためには、無駄のない効率的な予算編成が大きく問われます。

そこで、①平成28年度予算についての基本姿勢について伺います。

先般開催されました決算特別委員会において、平成26年度滋賀県一般会計および各特別会計歳入歳出決算のほか、各会計の決算認定が行われました。

今回の決算特別委員会の結果を受けて、どのように平成28年度予算に反映していかれるのか、伺います。

また、基本構想の重点政策や、総合戦略のプロジェクトを具体化するために、真に必要となる事業について、予算上の特別枠を設定されたようですが、③その見解を伺います。

 基本構想の重点施策を進めていくにあたり、総合戦略のプロジェクトとの整合性がとれているのかどうか、進捗にあわせてチェックしていくことが必要です。

県民ニーズを把握するためには、さまざまな主体のNPO、企業、大学などとの協働、連携や、県の各部局間連携の強化をどのようにはかっていくかが重要な鍵となります。

④総合戦略推進のための連携のとり方、プロジェクトの目標管理や見直し方法についての見解を伺います。

知事は、平成26年7月の滋賀県知事選挙の際に、三日月大造政策提案集「人と地域がキラリと輝く7つ星の滋賀」を出されました。「いきる」「うごく」「はたらく」「つくる」「まもる」「そなえる」「ひろげる」というテーマにあわせた7つ星の政策と、大津、湖南、甲賀、東近江、湖東、湖北、高島の7つの地域が輝く政策を掲げられています。

この政策提案集について、その進捗状況と、この政策提案集と基本構想ならびに総合戦略との整合性、また進捗状況をどのように自己評価されているのか伺い、次の質問に移ります。