②文化とスポーツの振興について

オリンピック・パラリンピック、国体・全国障がい者スポーツ大会、関西ワールドマスターズ開催、新生美術館整備、琵琶湖博物館リニューアルなどを今後控え、滋賀は文化とスポーツの10年と位置付け、取組みを進めています。

国でもスポーツ庁が創設されましたが、滋賀県でも文化・スポーツの所管が様々で、窓口一元化なども必要ではないか、またロンドンがそうであったように、オリンピックの文化プログラムとして、近年注目を浴びる「アール・ブリュット」の全国の拠点化に向けて、今後どうしていくのか、などから質問致しました。

Q;県の施策において文化・スポーツ振興を将来に向けて、具体的にどのように戦略的に進めるのか伺う

A;文化とスポーツの振興につきましては、本年3月に策定いたしました新たな基本構想の重点政策の一つとして「文化とスポーツの力」を活かした元気な滋賀の創造」を掲げ、この
重点政策に戦略的に取り組むための指針といたしまして、これからの約10 年間を見通し、「新しい滋賀の魅力をつくる文化・スポーツ戦略」を策定いたしました。
この戦略では、①東京オリンピック・パラリンピックで元気な滋賀づくり、②地域を元気にする文化振興と「美の滋賀」づくり、③県民が元気になるスポーツ振興と県民総参加による国体・全国障害者スポーツ大会の開催、という3つの柱に沿って、関連する部局が連携しながら、具体的な施策に取り組んでいるところです。
現在、この戦略を推進するため、庁内に設置いたしました「文化・スポーツ施策推進会議」におきまして、部局連携のもと、文化・スポーツ関連施策の構築を進めております。
文化とスポーツは、議員もご指摘いただきましたが、人々の感性や想像力を育み、感動や共感、楽しさ、喜びをもたらし、心身ともに元気にするとともに、人と人、人と地域を結び、地域を元気にする力を持っております。人口減少社会を迎える本県におきまして、この文化とスポーツの力を最大限に活かし、元気あふれる滋賀をつくるため、今後も戦略的に取り組んでまいります。

Q;各部局にまたがっている窓口を一元化し、文化・スポーツ分野の施策や予算を統合し、県庁力の向上を図るべきと考えるが、知事の所見を伺う

A;文化・スポーツに関する施策につきましては、「新しい滋賀の魅力をつくる文化・スポーツ戦略」に沿って、関連する部局が専門性を活かしながら、「文化・スポーツ施策推進会議」において、連携して取り組んでいるところです。
一方で、文化・スポーツ施策は多岐にわたっております。9年後に迫った国体・全国障害者スポーツ大会の準備などを踏まえ、関係の深い分野については、より効率的・効果的に施策が展開できるよう、今後、体制のあり方も含めて、十分に考えてまいりたいと思います。

Q;文化・スポーツの各施策のPDCAサイクルに対する知事の所見を伺う

A;議員ご指摘のとおり、文化とスポーツに関する施策は裾野が広く、多様な分野にまたがるとともに、長期的視野で継続的に取り組む必要がございますため、進行管理には十分意を用いてまいります。
このため、「滋賀県基本構想」の重点政策「「文化とスポーツの力」を活かした元気な滋賀の創造」に関する実施計画におきまして、毎年度PDCAサイクルによる進行管理を実施していくことといたしております。本県の文化・スポーツの振興を図っていくにあたり、国体・全国障害者スポーツ大会を控え、大変重要な時期を迎えていると認識しております。
こうしたことから、施策の進行状況につきましては、県議会や県基本構想審議会にご報告いたしますとともに、周辺状況の変化にも柔軟に対応しながら、文化・スポーツ施策を一体的かつ段階的に向上させ、滋賀を元気にしてまいりたいと考えております。

Q;アール・ブリュットの拠点となる取組について新年度施策にどのように反映されるのか。

A;滋賀の福祉の歴史の中から生み出され、育まれてきた本県のアール・ブリュットは、近年国内においても、また、国際的にも注目が高まっております。滋賀がアール・ブリュットの拠点となるためには、まずは、その魅力を広く県内外に知っていただくことが重要であります。
これまでから民間施設も含めた県内各地での作品展示のほか、今年度は近代美術館における企画展「生命いのちの徴しるし-滋賀と『アール・ブリュット』」展の開催や、ラッピングバス、ツアーバスの運行、さらに、映像コンテンツを制作し、広報を行っております。
とりわけ、東京オリンピック・パラリンピックに向けた文化プログラムは、ロンドンオリンピックで成功を収めた「アンリミテッド」のように、滋賀のアール・ブリュットの魅力を全国や世界に向けて発信する絶好の機会であり、新年度は国内での認知度の向上に加え、海外に向けた情報発信やネットワークの強化に向けて検討したいと考えております。
東京都をはじめ他府県においてもアール・ブリュットに着目した取組が始まっており、本県では、アール・ブリュットの発信拠点となる新生美術館の整備にあたって、作品の収集・保管・展示や調査研究などを着実に進めてまいりたいと考えております。

原文↓

平成21年7月23日に滋賀県文化振興条例が制定されてから、早や6年が経過しました。そして、本県での2巡目国体が、平成25年7月に内々定してから2年余りが経過し、今定例会議では、「滋賀県スポーツ推進条例案」が提案される予定です。

昨年7月、知事は就任後の会見で、「これからの10年は、文化とスポーツの10年であり、文化とスポーツで滋賀県を元気にしよう」と県民の皆さんに熱いメッセージを送られました。それから1年余り、①滋賀県の文化とスポーツの振興がどのように前進し、今後、具体的な施設整備や関係者への支援を含め、県の施策において文化・スポーツ振興を将来に向けて、具体的にどのように戦略的に進めるのか、お伺いします。

次に、組織再編について伺います。

芸術文化の分野でいえば、新生美術館の今後の位置付けとして、整備とアール・ブリュットを所管している総合政策部と障がい者の芸術文化活動を所管している健康医療福祉部、陶芸の森を所管している商工観光労働部、さらには琵琶湖文化館の収蔵品をこれまで取り扱ってきた教育委員会など、それぞれの組織の関わり方の整理が必要であり、またびわ湖ホールと滋賀県文化振興事業団との外郭団体の再編の課題も現在議論が進められているところでもあります。スポーツ分野でいえば、今回の国体の開催にあたり、総合政策部にあります国体準備室、障がい児(者)に関わるスポーツを所管する健康医療福祉部、競技スポーツと生涯スポーツを担当する教育委員会などのそれぞれの相関性など、県民からみれば、県庁の組織が縦割りとなっており、非常にわかりにくく感じられます。

 新生美術館の建設や国体や全国障がい者スポーツ大会の開催など、ビッグプロジェクトを目前に控えた今、スポーツを文化としてとらえ、県民総ぐるみで文化やスポーツに親しみ、取り組む体制を整え、各部局にまたがっている窓口を一元化し、文化・スポーツ分野の施策や予算を統合し、県庁力の向上を真剣に図る時期だと我が会派は考えますが、②このことについて、知事の所見を伺います。

次に、文化・スポーツ分野における「PDCAサイクル」の推進について伺います。

文化・体育施設への命名権の導入いわゆるネーミングライツ、国内外の世界的アーティストのびわ湖ホールへの招へい、競技スポーツとしての国体開催県における目指すべき順位など、県民はもちろんのこと、県内外に「文化とスポーツの滋賀」をイメージづけるために、これまで本県は、様々な政策をうたれてきました。文化やスポーツ施策は裾野の広い、中・長期的スパンに立った政策であると我々は感じています。計画から実施に至るまではもちろんですが、こうした試みの後、いかに評価し、再度行動を起こし、次の計画にどのように活かすかが非常に重要だと考えます。

これまでのPlan-Do-Check-Actionといったサイクルを、文化・スポーツの各施策を一体化し、これからの数年、県民の方々の気運の醸成と同時に、経年ごとに県民の方々と一緒に進捗してこそ、ホップ、ステップ、ジャンプと段階的に向上する生きた政策になると私たちは考えますが、③この提案に対して知事の所見を伺います。

この項の最後に、アール・ブリュットの振興について伺います。

先月24日、知事は、総務省、文部科学省、厚生労働省へ「2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けた文化プログラムの推進とアール・ブリュットの総合的な振興について」提案、要望をされました。また、昨年設置されました庁内プロジェクトチームで検討された文化プログラムもいよいよリオ五輪後の来年秋から本格的に実施される運びとなったところです。糸賀一雄氏をはじめとした先人たちの努力により、1940年代から福祉施設等で障がいのある人の造形活動を長年継続されてきた滋賀の地が、全国のアール・ブリュット振興の一大拠点となるよう、今こそ、全国や世界に向けて積極的にPRし、発信力を高めていく時期であり、新年度はその好機だと我が会派は考えます。④アール・ブリュットの拠点となる取組みについて、新年度施策にどのように反映されるのか伺い、次の質問に移ります。